相続人の一部が実家や親の所有していたマンションに住み続けて出て行ってくれない
相続人の1人が配偶者(夫や妻)の場合
遺産である実家やマンションが被相続人の単独名義の場合で、配偶者が居住している場合には、その配偶者には「配偶者短期居住権」がありますので、遺産分割協議が成立するまでか、遺産分割協議が早期に成立したとしても、最低6か月間は無償で居住することができ、立ち退いてもらうことはできません。
そして、当該配偶者が当該不動産での居住を希望する場合は、「配偶者居住権」の制度の利用を検討することになるでしょう。
相続人の1人が配偶者でない場合
この場合は、当該相続人が当該不動産を取得したうえで、他の相続人に代償金を支払う「代償分割」の方法で遺産分割を成立させることができないかを検討することになります。
もっとも、当該相続人に代償金を支払う資力がない場合には、最終的には当該不動産を売却して、売却代金を分配する「換価分割」の方法で遺産分割を成立させることになりますが、当該相続人が換価分割の方法で遺産分割を成立させることに合意しない場合には、家庭裁判所に換価分割の審判を出してもらい、競売を命じてもらうことになります。競売の手続になると、買受人が代金納付して、引渡命令の申立てをすれば、強制的に立ち退かせることができます。