相続でよくある「親子」の相続トラブルについて

親子間の相続トラブルは、血縁関係が絡むため、お金の問題だけでなく、感情的な対立となり、深刻なものとなりがちです。

「話をしたくても何をどのように伝えたらよいのか分からない」
「親子だからこそ、言いにくいこともある」

とお考えの方も多くいらっしゃるかと思います。

父親がお亡くなりになった場合、後妻が遺産分割の対象不動産(実家)に住んでいるケースで、先妻との子との相続トラブルに至ることも珍しくはありません。

本記事では、「親子間の相続トラブル」について、弁護士歴15年以上(解決実績500件以上)の当事務所の弁護士が解説いたします。

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実際に当事務所に寄せられた相談事例

・亡き父の先妻の子と後妻との間の相続トラブル
・疎遠な(絶縁状態の)子に財産を相続させたくない
・父親が亡くなり、母親は住んでいる家に住み続けたいが、子は家を売却したい

上記のような状況が発生した場合、どう対応すべきでしょうか。当事務所の弁護士より、その対応方法を解説いたします。

絶縁状態の親・子がいる場合の相続について

たとえ「勘当」や「絶縁」されていたとしても、法律上、親子関係がなくなることはありません。 「相続欠格」や「相続廃除」されていない限り、遺産相続の権利はあります。法律上は、原則として、親子の縁を切ることはできず、一度法律的に成立した親子関係を解消する方法はありません。

遺言書を作成して第三者に遺贈する

「縁を切る」方法は存在しなくても、特定の相続人に「遺産を相続させない」方法はあります。

遺言書を作成すれば、全財産を子ではない第三者に遺贈し、今まで関わりがなかった子には相続をさせないことが可能です。

ただし、この方法では、子が有する「遺留分」の問題があり、遺産を受け取れなかった子が「遺留分侵害額請求」を行う可能性があります。

遺留分と遺留分侵害額請求について>>

財産を第三者に生前贈与する

全財産を第三者に生前贈与すれば、相続できる遺産がなくなるため、相続させたくない子に財産が渡らないようにすることが可能です。

しかし、「遺言書で相続させない」場合と同様、子には最低限の取り分である「遺留分」があり、子からこの遺留分の権利を行使「遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)」されてしまうと、最低限の相続がなされてしまうことになります。

遺留分の割合について>>

遺留分の放棄

「遺留分の放棄」とは、遺留分の権利者が遺留分の権利を自ら手放すことです。

もっとも、被相続人が生きている間に遺留分を放棄するには、家庭裁判所で「遺留分放棄の許可」を受けなければなりません生前は被相続人が遺留分権利者へ遺留分の放棄を迫るなど不当な干渉が行われる可能性があるので、厳密な手続を必要としているのです。

廃除

「廃除」とは、遺留分を有する推定相続人(配偶者、子、直系卑属)に非行や被相続人に対する虐待・侮辱がある場合に、被相続人の意思に基づいてその相続人の相続資格を剥奪する制度をいいます。

生前の廃除と遺言による廃除の二種類があり、いずれも、家庭裁判所に申立てをして、認めてもらう必要があります。
もっとも、裁判所が廃除を認めることは少なく、非常にハードルが高いとされています。

親子間の不動産トラブルについて

土地や建物といった不動産のように、「分けられない資産」や「評価が難しい資産」が遺産として残されたケースは、最も遺産相続トラブルになりやすいものと言えます。

最も典型的な事例ともいえるのが、被相続人が父親で、相続人である母親(妻)が家に住み続けたいが、子は土地を売却してその売却代金を法定相続分どおりに分けたいというケースです。

そのような母親(妻)にとって不利益な事態を回避するため、改正民法では、「配偶者居住権」という制度を設けました。

配偶者居住権とは

相続法改正で認められた配偶者居住権には、「配偶者短期居住権」「配偶者居住権」があります。

「配偶者短期居住権」とは、被相続人の所有していた建物に無償で住んでいた配偶者に対して、相続人の遺産分割協議が終わるまで又は相続開始から6か月経過する日のいずれか遅い日まで、つまり、最低6か月間は、引き続きその建物に無償で住んでも良いという権利です。

「配偶者居住権」とは、配偶者以外の相続人が、配偶者が住んでいる建物を相続財産として取得した場合、配偶者は終身、つまり亡くなるまで、又は一定期間、建物の使用を認められるというものです。

これまでは、配偶者が死亡した場合に残された配偶者が引き続き生涯にわたって自宅に住み続けるためには、通常、他の相続人(子)と遺産分割協議をし、残された配偶者が自宅の所有権を取得する必要がありました。

しかし、そうすると、残された配偶者は自宅の評価額を差し引かれた相続分となるため、預貯金等の自宅以外の流動資産の取り分が減少してしまい、老後の生活資金の確保に困るという問題がありました。

これが配偶者居住権の新設により、この不都合が大きく改善されることになりました。

配偶者居住権は登記が必要

配偶者居住権を設定したときには、必ずその旨の登記を行わなければなりません(新1031条1項)。

配偶者居住権は、不動産の所有者からみれば、不動産の所有権のうち最も重要な「使用・収益の権利」を長期間制約する負担的な権利である上、第三者からは配偶者居住権が設定されているか否かがわかりにくいため、第三者にきちんと公示すべきだからです。

配偶者居住権を設定すると不動産の評価額が下がる

配偶者居住権は、「所有権を制限する権利」に位置づけられます。

「所有権」は、法律の議論としては、物を使用する権利、物から収益をあげる権利、物を処分する権利といった、物に関するさまざまな権利を包含した権利であると考えられています。

配偶者居住権が設定されれば、このうち「使用・収益の権利」が大幅に制限されてしまうため、その住宅(不動産)の経済的な価値は大きく低下してしまいます。

不動産の相続は弁護士にご相談いただく

不動産の相続においては相続人の間でトラブルが発生する要素が多く、遺産分割がまとまらないことも考えられます。公平な遺産分割が難しいケースであれば、弁護士への相談を検討すべきでしょう。

早い段階で法的な根拠のある解決策を提示してもらうことは、相続人同士の人間関係を崩さないためにも有効といえます。

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具体的には、遺産分割に関する書類作成や遺産分割の交渉をあなたに代わって進める代理人の依頼調停や審判に進展してしまった場合の代理人の依頼を、弁護士歴15年以上(解決実績500件以上)の相続に強い弁護士がお引き受けいたします。

※遺産分割協議から調停・審判に進展した場合、追加で着手金(ご依頼いただいた際に頂戴する前金)をいただいております。

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お早目に弁護士に相談いただくことで、相続や遺産分割問題について、あなたのご希望に可能な限り応えられる解決を実現する可能性が高まります。

また、遺産分割協議の段階で弁護士に交渉をご依頼いただくことで、比較的短期間で解決に進められる可能性が高まり、あなたの貴重な時間が奪われずに済み、またご家族・ご親族間の関係性も悪化させずに済むことが多いです。

上記のような理由から、「遺産分割協議が進まない」、「自分の希望どおりには遺産分割協議が進められそうにない」と少しでも思ったタイミングで弁護士への相続の相談をおすすめしております。

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この記事の執筆者

武蔵野経営法律事務所

弁護士 元さいたま家庭裁判所家事調停官

加藤 剛毅

専門分野

相続、不動産、企業法務

経歴

埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。

家事調停官の経験を活かし、相続事件の依頼者にとって最適な解決に導くサポートを実施している。

家事調停官時代の件数を含めて、相続事件の解決実績は500件以上に上り、地域内でも有数の実績である。

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