後妻との間で不動産の評価額及び金銭等出資型の寄与分の有無・金額が争点となった事例

相談に至った経緯

依頼者は、40代の男性でした。 依頼者によれば、お父様がお亡くなりになり、相続人は、お兄様と依頼者と亡き父の後妻の3名でした。このうち、お兄様は相続放棄をされたので、依頼者が申立人となり、後妻を相手方として遺産分割調停の申立てをするという内容で、受任することになりました。

当事務所の対応

亡くなったお父様の遺産は、現在、後妻が住んでいるマンションと預貯金でした。 依頼者はマンションの取得を希望しなかったので、本件の争点は、 ①不動産の評価額②後妻に被相続人に対する金銭等出資型の寄与分が認められるか否か の2点でした。

不動産の評価額について

まず、不動産の評価額については、双方が不動産業者の査定書を提出しましたが、なかなか折り合いが付かなかったため、当方から鑑定申請をしました。 すると、裁判所から、正式な鑑定をするとなると時間と費用がかかることになることから、不動産の評価額について和解案を提案されたため、双方にて検討した結果、裁判所提案の和解案の金額で合意することができました。

後妻が主張した金銭等出資型の寄与分について

次に、後妻が主張する金銭等出資型の寄与分についても、裁判所が検討した結果、一定の金額の寄与分を認める内容の和解案を提案され、当方依頼者も検討の結果、それを受け入れることになりました。 具体的な分割方法は、相手方が全財産を取得する代わりに、代償金として当方依頼者に約2300万円を支払うという内容で合意に達し、調停成立により事件終了となりました。

担当弁護士のコメント

本件では、相手方の主張が二転三転するなど紆余曲折があり、相応の時間を要してしまいましたが、裁判所が主導的に的確な内容の和解案を提案したことで、依頼者にとっても満足のいく結果となりました。

この記事の執筆者

加藤 剛毅弁護士 元さいたま家庭裁判所家事調停官
専門分野:相続、不動産、企業法務
経歴:埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。

家事調停官の経験を活かし、相続事件の依頼者にとって最適な解決に導くサポートを実施している。

家事調停官時代の件数を含めて、相続事件の解決実績は500件以上に上り、地域内でも有数の実績である。

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