一部の相続人の所在と遺産の全容が不明で、一部の相続人の所在調査及び遺産調査をしてから遺産分割協議にて解決した事例

依頼者の年代と性別

90代男性

相談内容

依頼者の父が亡くなり、遺産分割協議を実施しようと思ったが、一部の相続人の所在が不明であり、また、遺産の全容を把握できていないので、一部の相続人の所在調査及び遺産調査をしたうえで、代理人として、他の相続人との遺産分割協議を依頼したいというご相談でした。

相続人は、依頼者を含めた被相続人のご兄弟のみですが、相続発生以前に亡くなっているご兄弟もあり、その代襲相続人である甥と姪が2人いることまでは把握していましたが、住所などの所在が不明とのことでした。

また、遺産についても、預貯金については把握されていましたが、その他に、被相続人は金融機関に貸金庫を借りており、その中に何が保管されているかはわからない、とのことでした。

問題点

一部の相続人が所在不明であることと、遺産の全容が不明であるため、遺産分割協議ができない、という状況でした。

弁護士による解決までの流れ

まず、所在不明の相続人である甥と姪の所在を明らかにするために、戸籍謄本・戸籍事項証明書や戸籍の附票等の書類を取り寄せ、相続人の所在調査を行いました。その結果、所在不明であった甥と姪の現住所が判明しました。

そのうえで、被相続人が借りていた貸金庫については、依頼者と、所在が判明した相続人を含む他の相続人全員の署名・押印を得て、依頼者と一緒に当該金融機関に赴き、貸金庫を開披したところ、中から現金600万と預金通帳が発見されました。

結果

相続調査を実施することで、相続人全員の所在と遺産の全容を把握できましたので、判明した遺産の内容を前提に、私が遺産分割協議書案を作成して他の相続人全員に送付したところ、他の相続人全員の了解を得ることができたため、調停等の裁判所の手続を経ることなく、比較的早期に、遺産分割協議が成立しました。

弁護士所感

依頼者を含めた全ての相続人のスタンスが、「法定相続分を確保できれば特に異存はない」というものであったため、相続調査から遺産分割協議まで、比較的スムーズに進めることができました。

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この記事の執筆者

武蔵野経営法律事務所

弁護士 元さいたま家庭裁判所家事調停官

加藤 剛毅

専門分野

相続、不動産、企業法務

経歴

埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。

家事調停官の経験を活かし、相続事件の依頼者にとって最適な解決に導くサポートを実施している。

家事調停官時代の件数を含めて、相続事件の解決実績は250件以上に上り、地域内でも有数の実績である。

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