亡父から何十年も前に「勘当」された兄は遺産分割協議に含めなくて良いのでしょうか?

「勘当」というのは、戦前の明治憲法下には法制度として存在していましたが、現行法下の法制度にはありません。

そうしますと、たとえ父親から「勘当」されたとしても、法的には兄も相続人ですから、この兄を無視して遺産分割協議を進めることはできません。

というのは、遺産分割協議は相続人全員が合意の上で進めていく手続のため、一部の相続人のみでなされた遺産分割協議は無効だからです。

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では、どうすればよいのか?

まずは、兄の所在調査をします。心当たりのありそうな人に尋ねたり、兄の現在の戸籍をたどり、記載されている筆頭者氏名と本籍地から、戸籍の附票を取得し、現住所を当たったりします。

それでも所在が不明であれば、本件では兄は何十年も前に家を出て行って生きているのか死んでいるのかも分からないということですから、「失踪宣告の申立て」をすることができます。

「失踪宣告」とは、従来の住所又は居所を去り、容易に戻る見込みのない不在者について、その生死が7年間明らかでないときにすることができます。

失踪宣告がなされると、不在者の生死不明のときから7年間が満了したときに死亡したものとみなされます。つまり、この宣告により、兄は死亡したものとして扱われ、遺産分割協議は、不在者である兄以外の相続人全員で行えばよいということになります。

また、本件では、兄が生きていることを前提に、「不在者財産管理人」の選任の申立てをすることもできます。この場合は、家庭裁判所の許可を得て、不在者財産管理人が、行方不明者の兄に代わりに遺産分割協議に参加することになります。

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この記事の執筆者

武蔵野経営法律事務所

弁護士 元さいたま家庭裁判所家事調停官

加藤 剛毅

専門分野

相続、不動産、企業法務

経歴

埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。

家事調停官の経験を活かし、相続事件の依頼者にとって最適な解決に導くサポートを実施している。

家事調停官時代の件数を含めて、相続事件の解決実績は400件以上に上り、地域内でも有数の実績である。

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この記事の執筆者

加藤 剛毅
加藤 剛毅弁護士 元さいたま家庭裁判所家事調停官
専門分野:相続、不動産、企業法務
経歴:埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。

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