家族の中に養子がいる場合、その人に相続分はあるのでしょうか?
Contents
1 養子の種類
養子には、普通養子と特別養子があります。
普通養子の場合、養親と親子関係が生じると同時に、実親との親族関係も残ります。そのため、普通養子の場合、実親の相続人であると同時に、養親の相続人でもあります。
一方、特別養子の場合、養親の相続人ではありますが、実親との親族関係は終了するため、実親の相続人ではなくなります。
2 親(養親)の遺産の相続について
普通養子・特別養子ともに、養親の子として、実子と同様、養親の遺産について法定相続分(民法で定められた相続割合)を有します。
3 兄弟姉妹の遺産の相続について
故人(被相続人)に子がおらず、親(養親)も亡くなっているなどの場合、故人の兄弟姉妹が相続人となります。
故人の兄弟姉妹の中に養子がいた場合でも、養子相互間においても、実子と養子の間においても、いずれの場合もすべて兄弟姉妹であり、互いに相続人となります。
4 実務上の留意点
財産を残す立場からすれば、生前、自分が亡くなった後の相続に備えて、養子縁組制度を有効利用することも考えられます。つまり、相続税の基礎控除額は、現在は、
3000万円+(600万円×法定相続人の人数)
とされていますが、以前は、相続税を節税するため、たくさん養子縁組をして、法定相続人を増やすということがされた時代がありました。
しかし、相続税法が改正され、相続税の基礎控除額との関係で、法定相続人にカウントできる養子の人数は、被相続人に実子がいない場合は二人まで、実子がいる場合は一人までと制限されるようになりましたので、注意が必要です。
一方、遺産を相続する立場からすると、被相続人が亡くなった後、相続人が誰かを確定するために、故人が生前に養子縁組をしていなかったか、戸籍謄本等を取り寄せて調査・確認することが必要となります。
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この記事の執筆者
武蔵野経営法律事務所
弁護士 元さいたま家庭裁判所家事調停官
加藤 剛毅
専門分野
相続、不動産、企業法務
経歴
埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。
家事調停官の経験を活かし、相続事件の依頼者にとって最適な解決に導くサポートを実施している。
家事調停官時代の件数を含めて、相続事件の解決実績は500件以上に上り、地域内でも有数の実績である。
この記事の執筆者
-
専門分野:相続、不動産、企業法務
経歴:埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。
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